山羊

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南信州の山羊は血統書付き

JAみなみ信州が管理する南信州の山羊は、実は全国的に有名なブランド山羊です。南信州の山羊農家は、現在約30軒。代々の山羊農家は減少傾向にあり、代わって新規参入の若い世代の山羊農家が増えてきています。南信州での山羊の管理飼育は、太平洋戦争の終戦頃から始まったといわれており、当時は子山羊の出荷や、山羊肉の需要よりも、山羊乳が必要とされていました。

南信州の山羊の特徴は、〝一頭一頭が血統管理され、登録された山羊である〟という点にあります。これによって品質が一定で、万が一の疫病流行時などにも全体が把握できる体制が整っているのです。出荷される全ての子山羊が血統書付きというのは全国でも長野県、南信州地域だけといわれています。

全国から注目されている山羊市場

南信州の山羊が全国的に有名な理由に、販売体制が確立されていることが挙げられます。60年以上続く、伝統ある「下伊那子山羊市場」は全国的にも珍しい、血統書付子山羊だけを扱う競り市で、毎年県内外から多くのバイヤーが訪れ、熱い競りが繰り広げられます。競り落とされた子山羊は、北は北海道から南は九州まで、毎年40頭程度が全国に向けて出荷されます。

また、同時に共進会(子山羊の品評会)も行われ、一等には県知事賞が贈られます。競り市と共進会は毎年、当歳の子山羊が離乳する7月上旬に行われており、山羊業界が最も盛り上がる時期となっています。

受け継がれる飯田の山羊産業

南信州の子山羊は、ブランド品として全国に広まりながらも、産業として成功するには量が足りていないという状況です。全く臭みがなく大変美味な肉、ヘルシーで栄養価の高い乳、柔らかく耐久性のある皮革なども、潜在的需要はある一方で、今のところ地元の限られた地域で流通、活用されているに過ぎません。これからは南信州の山羊を観光にも活用するなど、付加価値を付けつつ一般にも認知されていくことが必要となっています。