多彩な食肉

VARIOUS MEAT


南信州地域では、歴史的に馬との関係が深く、昔から農耕や輸送用のための馬の飼育が盛んに行われていたことから、馬肉やおたぐりといった馬の肉を食べる文化が根付いたといわれています。

馬刺し

ハレの日には欠かせないご馳走「馬刺し」。赤身肉の柔らかさは、舌の上でとろけるほど。馬肉を食べる文化は長野県のほかに熊本、福岡、青森などに分布しています。江戸時代、飯田は太平洋の海産物を馬の背に載せて内陸に運ぶ中馬街道・塩の道の一大中継地であり、また農家にとっても馬は肥料や労力に欠かせない存在でした。現在では安全でヘルシーな肉として注目が集まっています。

おたぐり

「おたぐり」は南信州地域の郷土料理で、馬の内臓(大腸)を塩味で長時間煮込み、好みで唐辛子や味噌などで味付けをしたもつ煮のことです。お酒のつまみなどとして親しまれており、居酒屋、定食屋、郷土料理店などで食べることができます。牛や豚のモツとはまたひと味ちがう美味しさです。

南信州地域で馬のモツを「おたぐり」と呼ぶのは、腸を手で「たぐって引っ張り出す」動作が由来となっています。